来自16年12月N1考试
一年前考试时读到了这篇文章,觉得很有道理一直念念不忘,讲述的观点真的深有体会。最近终于看到市面上有真题了于是分享出来。
文章如下:
建築の設計をやっていると様々な職人に出会う。大小を問わずどの現場でも一人や二人、主役を張れる(注1)人がいる。そうした人に出会うのが、現場に通う楽しみのひとつだ。 長い時間、図面にばかり接していると、現実を離れて思考が一人歩きすることがよくある。 そんな時、彼らからもらう情報がかけがえのない(注 2)ものであることが分かる。我々 が作り出す図面は、線で描かれた抽象的な記号に過ぎない。彼らは物に触っている。経験 則によって裏付けられた、物に近い、深くて確かな情報を持っている。
図面は人間の頭の中だけで作り出されたものだ。それを現実の建物に移し替えるには、木 や鉄やコンクリートといった、物から手によ って直接に得られる情報が不可欠だ。頭で生 み出されたものは、思いこみや錯誤によって間違うことが多いからだ。
今はコンピューターと情報通信の時代だ。 それにともなって、手を動かす機会がどんどん少なくなってきている。建築の設計でも CAD(コンピューター利用設計)化の勢いはす さまじい。しかし、その図面は、設計の全体を把握しにくい。きれい過ぎて、何であれ、 すべてうまくいっているように見えてしまう。手を経ずに、頭の中だけで作業が完結して しまっているからだろう。
トレーシングペーパー(注3)に鉛筆で苦労をして描かれた旧来(注4)の図面は、そこ に描く人の感情が入っている。うまくいっていないところは消しゴムで消し、描き直して 修正していく。技術的に問題のあるところ、デザイン的にうまくいっていないところほど、 線はにじみ、トレーシングペーパーは人の手の脂で汚れてくる。何回も描き直した個所は、 しまいには擦り切れて穴が開いてしまうこともある。
描いた当人の自信がなければ、鉛筆の線にもその迷いを見て取ることもできる。慣れてく ると、図面上の線から、描いた人の経験的なレベルや人柄さえ分かるようになる。手書き の図面には、すてがたい様々な種類の情報が塗り込められている。均質な図面の向こう側 に人の姿が見えにくい分、 CAD では大きなリスクを見落とす可能性もある。
手から遠いコンピューターの出現によって、リスクの所在をかぎ取ることが、旧来の経験 側では難しくなってきている。これは設計に限ったことではないだろう。今や情報通信と コンピューターはあらゆる分野に浸透し、社会全体を変 えつつある。頭から生み出された ものが暴走している。リスクの所在が、より巨大で、見えにくくなった。
どこかでそれを、生身の身体を持つ人間の側に引き戻す必要がある。手から得られる情報 は、効率は悪いが、現実の世界をまさぐって(注5)得られるものだ。その人の身体だけ にとどまる固有に情報といってもよい。忘れられつつある手の行き場を考えるべきだろう。
(内藤廣『建築のはじまりに向かって』による)
(注1)主役を張る:ここでは、主要な役割を果たす
(注2)かけがえのない:他に代わりがないほど貴重な
(注3)トレーシングペーパー:ここでは、設計図を描くための紙
(注4)旧来の:昔からの
(注5)まさぐる:手探りをする 1)